めちゃくちゃ重い実家の金庫が盗まれた

ある日、実家の母親から急いだように電話が掛かってきて「金庫が盗まれてしまった」という一言が告げられました。実家にある金庫というと、自営業をしている実家の預金通帳や印鑑などが全て入っている金庫でしたから、それがどれだけ重大な事件であったのか一瞬にして理解できました。母親が焦り気味だったのもわかります。

しかし、このことについてかなり気になることがありました。それは実家にあった金庫はめちゃくちゃ重いので、そう簡単に持ち運びができるようなものではないという点です。簡単に持ち運びができるタイプの金庫であれば、簡単に盗まれてしまうのもわかります。でも、それがめちゃくちゃ重いタイプの金庫となれば話は別で、どのようにして実家に侵入して金庫までたどり着いたのかも謎な上に、どのようにしてあの金庫を持ち出したのかもかなりの謎なのです。あの金庫を運び出すことは絶対に一人掛かりでは不可能ですから、必ず二人以上の人間が絡んでいることが確実だと言えるでしょう。

とりあえずその金庫のことが気になって、実家へと飛んで帰ると、警察の実況見分が行われているところでした。どこにどれくらいの金庫を置いてあって、どのようにして保管していたのか、父親と母親が答えています。その流れにのって私も実況見分に参加させてもらったのですが、警察が言うには最近このあたりで金庫を中心とした空き巣被害が多発しており、比較的大きな金庫であっても簡単に盗み出すという手口が用いられているそうなのです。そのため、今となっては後の祭りではあるものの、金庫を設置するときは金庫そのものが動かないような留め具などをしておくべきだという説明を受けました。

重たい金庫でしたからさすがにそんな留め具なんて必要ないと思っていましたが、やはり念には念を入れておくべきなんですね。両親は新しい金庫を購入したら、今度はもっとしっかりと設置しておくと反省していました。